平成10年度 研究部告 大分県産業科学技術センター
七島いの有効利用に関する研究(第2報)
大内 成司町石井 信義
材料開発部
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1.緒言
七島いは,かつては国内各地で栽培され,畳表として
流通していたが, 今日では本県の杵築,国東地方が国内
で唯一の生産地になっている。
七島いの畳表はイグサよりも強くて摩耗しにくいとい われ,柔道畳として重宝されており,関東や中部地方で も需要が大きい.
しかし,生産において稲作のようi こ機械化が確立され ていないために重労働を強いられ,イグサや海外製品と
の競合,さらi こは近年の生活様式の変化に伴う畳離れも 手伝って,需要の低迷や後継者不足が続いている.
今後,機械化による労働の軽減化や自動化による生産 効率の向上,新製品開発による需要開拓が大きな課題で あるが,ここでは当面の課題として,生産工程において 発生する七島い廃棄物の有効利用について検討すること
とした.
2.住宅内装用壁紙としての検討 2.1七島い繊維を原料とする壁紙の検討
七島いの茎を約5cmに切断し,ディスクレファイナー (熊谷理器工業㈱製)により物理的i こ繊維化を行った。
前処理として2卵寺間水中に浸潰して,十分,水を給水 させた状態で5 ディスク歯間クリアランスを0.2,0。5ク 0.8mmの3条件として常圧常温で処理を行った.回転数は, 3,000r pmとした.
ディスクレファイナ町とは夕 日状の歯を持つ2枚の円盤
型マサイプレートの間にスクリュウフィーダーで材料を
送り込んで,高速でプレートを回転させることによって 繊維化する装置である.解繊やフィブリル化に用いられ
る.
また,化学的処理としてカセイソーダ0.5%水溶液で1 時間煮沸後(常圧),家庭用ジューサーで1分間撹拝して
繊維を得た。
それぞれの条件で得た繊維をシートマシン(安田精機
製作所㈱製)で抄紙実験を行った.
2.2・七島いを模様とする壁紙の検討
住宅の和室の壁紙や襖紙を想定して,高知県紙産業技 術センターの協力を得て,土佐和紙に七島いを模様とし て混入する実験を行った.
七島いの茎を2∼3cmに切断し,カセイソーダ0.5%水溶 液で30分間煮沸した.その後,その形状のままランダム
に和紙の中に漉き込んだ.
3.結果および考察 3.1七島い繊維を原料とする壁紙の検討 ディスクレファイナーで物理的に得た繊維で抄紙を 行った結果,クリアランス0.2mmのものは繊維長が非常に 短く,粉体に近い状態になり繊維の絡みがなく抄紙する ことができなかった.0.8mmのものは,逆に繊維化されて いない部分もあり,抄紙しても粗く不均一であった. 0。5mmのものが最も状態が良くク F妻g」に示すような和紙
の風合いに似た紙を漉くことができた.
Fi g」 物理的処理により得た七島い繊維による紙
Fさg.2に化学的処理により得た繊維で抄紙した紙を示す. 物理的処理による紙よりも非常に緻密で滑らかであるがク
モ島い原料としての特徴はなく,他の製紙原料と差別化
ができにくい
平成用年度 研究報告 大分県産業科学技術センター
F岳g.2 化学的処理により得た七島い繊維の紙
3.2 七島いを模様とする壁紙の検討
Fi g.3に七島いを模様とする紙を示す。点在する模様が 七島いである.実際に流通されている土佐和紙に漉き込
まれているので,品質的には問題がなく,和室の壁紙や
襖等の利用が考えられる.
住宅メーカーの方に見ていただき,展示場等で使用し
てユーザーの反応を確認したいとのお話を頂いている,
Fi g.3七島いを模様とする壁紙